|ラドアンテナTop|製作のノウハウ|製作・調整に必要な測定器 |設置方法|性能検証|技術考察(1)|技術考察(2)|失敗作例|他のアンテナとの比較考察|よくある質問集(Q&A)|自作ユーザー各局のご紹介|
|ラドアンテナTop|製作のノウハウ|製作・調整に必要な測定器 |設置方法|性能検証|技術考察(1)|技術考察(2)|失敗作例|他のアンテナとの比較考察|よくある質問集(Q&A)|自作ユーザー各局のご紹介|
SRAを使い出してかれこれ3年ほどになりますが、ログを見ると総QSO数が1,200局程度。内、SRAでのQSO数は300局程度に過ぎません。で、その殆どは3.5MHzでのものです。
仕事優先ですから仕方ないのですが、それでも3年の歳月を通して運用するとSRAの立ち位置も判ってきます。3.5MHzでフルサイズダイポールを展開している局の信号はそれなりに強力です。そういった局と比較をしていくと自分のアンテナの性能も自ずと判ってくるものです。
私はQSO時に使用アンテナを言わずにラグチューすることもままあるのですが、信号が弱いと言われたことは殆どありません。むしろ強い信号だと言われることの方が多いのです。
現用中のシリンダタイプSRAの使用感は、フルサイズダイポール並みとは言いませんが、短縮DPかそれ以上に感じます。
3.5MHzで時々運用しています。 2012/04/20
今迄は主に製作方法や理論について記述してきましたが、実際の性能について知りたい方は多いと思います。QSOによって充分使えることは実証されつつありますが、それでもどの程度の利得があるのか(無いのか)誰しも知りたいのではないでしょうか。アマチュアである私にはスケールダウンモデルを使った厳密測定などは出来そうにないので、アマチュアライクな方法を試みることにしました。
■別のアンテナとの性能比較
違うアンテナ同士を比較しても全く無意味だというご指摘がある事は十分承知していますが、この試みはSRAのある程度の立ち位置と言いますか、目安程度にはなるだろうとの考えからであって、ゲインを特定しようとするものではありません。比較はメーカー製のGPを使用しました。スーパーラドは垂直架設で水平偏波の無指向性、GPは偏波は違いますが同じ無指向性ですので、DPのような指向性があるアンテナより比較し易いと考えたからです。
■同じ高さのタワー2基を使った性能測定
自宅から直線距離で約500m離れた場所に会社があり、全く同じ15mタワー(KT-15)を建ててあります。この環境を使って様々な計測を試みようと考えています。
自宅に建てたタワーにCP-6とSRAを架設した様子。
会社に建設した同型のタワー。
結論から言いますと、SRAはCP-6に比べると、かなりプラスゲインのようです。CP-6は3.5MHz帯では大幅に短縮されていますから、かなりのマイナスゲインであろうと推測しますが、メーカーからの公表値が無いためどの程度のマイナスかは推測の域を出ません。
■比較アンテナ(双方ともにメーカー製を使用)
スーパーラドアンテナ:DETECH製 3.5MHz用シリンダタイプ
GP:第一電波工業製 CP-6(6BAND GP)
■設置環境
15mタワーの上部(約13m位置)にCP-6を架設、アンテナポール上部(約16m位置)にSRAを架設し、GPのエレメント上部とSRAがほぼ同位置になるようにしました。
上に上げるとSRAのSWRが悪化し、リアクタンス特性が変化したため、内臓チューナーで強制的にチューニングしました。このため、SRAは本来の性能が悪化した可能性があります。これは、GPの3.5MHzエレメントが近傍にあることの影響だと思われます。GPはSRA設置による影響は見られませんでした。
■送受信結果(交信局数:32局)
比較結果は、CP-6に比べSRAが送受信ともに概ね+10dB程度良いといった結果でした。この結果をどう見るかは皆さんにお任せします。
日付
|
相手局
|
所在地
|
相手アンテナ
|
相手出力
|
HIS
|
MY
|
08/29 | JF1G** | 東久留米市 | Full IV |
100
|
59+ | 59+ |
08/29 | JE1E** |
群馬県吾妻郡
|
Full DP |
不明
|
59+ | 59+ |
08/29 | JA2H** | 静岡県浜松市 | Full DP |
800
|
59+ | 58 |
08/29 | JF1V** | 茨城県筑西市 | Full DB |
200
|
59+ | 59+ |
08/29 | JA2L** | 名古屋市 | スロパー |
200
|
59+ | 59+ |
09/06 | JR7C** | 上山市 | DP |
50
|
59+15 | 59+30 |
09/06 | JH4F** | 尾道市 | DP | 100 | 59+10 | 59+20 |
09/12 | JA8C** | 函館市 | Full DP |
200
|
59 | 59+10 |
09/12 | JE9T** | 小松市 | DP | 200 | 59 | 59 |
09/22 | JR6B** | 熊本市 | Full DP |
1Kw
|
50+10 | 59 |
09/22 | JA8R** | 千歳市 | Full DP |
不明
|
58 | 59 |
09/25 | JH0H** | 松本市 | DP |
50
|
59 | 59+ |
09/25 | JA5M** | 松山市 | DP |
不明
|
59 | 59 |
QSOレポートから見れば、同程度の出力であればフルサイズダイポールと比較しても遜色が無いという結果です。SRAが無指向性であることを考慮すれば、非常に興味深い結果と言えるのではないかと思います。しかし、この試みでは交信数がそう多くないことやコンディションを考慮すれば結果の正確性を担保出来るほどではないでしょう。
SRAはパイルに強いという印象が私にはあります。理由は判りませんが、SRAの電波は信号強度以上に強く感じると言われる事が多々あるのです。了解度が良い電波と言いますか、押し出しが強い電波とでも言いますか、表現が難しいのですが、この事がパイルに強いと感じる原因なのかもしれません。
交信数が増えていくにつれ意外な事実に気づきました。実験当初から非常に良く聞こえるアンテナであるという印象だったのですが、最近の印象は聞こえる以上に良く飛ぶアンテナであるというものです。何故かと言いますと、互いが同じ出力の場合、送るレポートより貰うレポートの方が良い場合が数多くあるからで、私の最近の認識は、SRAはむしろ送信用アンテナではないかというものになりつつあります。
あまりに難しい課題なので、じっくりと方法を再考中です。
以下暫くお待ちください。
掲載した実験結果について
掲載した実験結果は出来る限りその総数(n数)を多くし、信頼性の向上を図ることを心がけましたが、1個人が行っていることであって時間的な制約もあり、十分とは言えないかもしれません。
従いまして、掲載中の結果がスーパーラドの性能の全てではないことをご了承願います。
また、スーパーラドは進化し続けており、他の形状のものを含めると性能評価を行うにはあまりに時間的制約があります。
これらの問題を解決するためには、共に実験、評価して下さる有志の仲間を増やすことが最も有効な方法でしょう。皆さんのご参加をお待ちしています。
JF1TLT